「宇宙海賊ハーロック」や「宇宙戦艦ヤマト」などで有名な漫画家、松本零士さんのアニメが海外で大人気です!
特にフランスやイタリアで大人気ですが、アメリカではなくなぜヨーロッパで大ヒットしたのでしょうか?
1970年代から1980年代に日本で松本アニメブームを巻き起こし、なぜ海外でも人気を博していたのかその魅力を調査しました!
松本零士のアニメがヨーロッパで大人気?
松本さんのアニメがヨーロッパでどれぐらい人気なのかTwitterを見ていきましょう!
そうそうフランスでは999とハーロックは僕の上のさらに上の時代で大人気
— Kasama (M)ari (@mari_kasama) February 20, 2023
70と80時代生まれの人で
で僕みたいな91年生まれはアニキアネキのお陰で知ってる
子供の頃で再放送見てた
インターステラーのPVもアネキがVHSで録音していつも見てた
それにしてもハーロックはイタリアでも40周年か。ミーメ好きミーメ
— あやめ🚩 (@angstrom_iris) November 16, 2019
松本さんの代表作、「宇宙戦艦ヤマト」と「宇宙海賊キャプテンハーロック」は絶大な人気を誇っていました。
フランスでは最高視聴率70%を記録、イタリアに至ってはアニメ化40周年という人気ぶりです。
日本の人気以上にヨーロッパでは愛された作品だったんですね!
松本零士のアニメがなぜヨーロッパで人気なのか
特に人気のアニメ「宇宙海賊キャプテンハーロック」は宇宙を舞台にしたスペースオペラとなっていますのでスケールがそもそも大きいです。
1970年末は映画の「スターウォーズ」や「スタートレック」などの宇宙を舞台にしたSF作品が台頭してきた事も人気の理由だと考えられます。
特にフランスでは絶大な人気を誇っており、当時大人でも楽しめるアニメとして今もなおファンが多い作品です。
人気の最大の理由はフランス人の魂を揺さぶる文化的背景が作品に組み込まれているからではないでしょうか。
フランスにはヨーロッパ特有の中世から受け継がれる騎士道精神を重んじる歴史があります。
騎士階級の行動規範の事ですが、忠誠、公正、勇気、武勇、慈愛、寛容、礼節、奉仕などなどです。
日本でいう所の「侍道」のヨーロッパバージョンですね。
そして17世紀ごろ、フランスでは「コルセール」と言われる政府公認の海賊が存在しました。
悪い海賊には海賊退治専門の海賊がいたという事です。
なので「キャプテンハーロック」が人気な理由は、
- 壮大な宇宙が舞台
- 騎士道精神を重んじる
- 歴史上、正義の海賊がいた
これらの要素が組み合わさってフランス人の心に深く突き刺さったのではないでしょうか!
そして「宇宙海賊キャプテンハーロック」はフランスでは「キャプテン アルバトール」というタイトルに変わっています。
その理由なんですが、フランスの人気マンガ&アニメの「タンタンの冒険」の主要キャラの「ハドック船長」と名前が似ていたからそうです。
フランス語の語感がアルバトールに近かったのかもしれませんね。
これらの理由でフランスでは1970年代末に「キャプテンハーロック」のアニメが放送され、視聴率70%を超えるほど大人気となりました。
当時のフランス語名「キャプテン アルバトール」を観て育った世代は「アルバトール世代」と言われるぐらいに人気なのも納得ですね!
松本零士のアニメがなぜフランスでヒットしたのか
何故ここまでに日本の作品がフランスでヒットしたかというと、松本さんの作品の着想がフランスから得ている事に起因します。
小さい頃からフランスの映画や漫画に触れてきた松本さんなので、フランス特有の気品に心を打たれたと過去のインタビュで語っていました。
松本さんの作品はハリウッド的な爽快さや派手さというより、趣のある設定や余韻や情緒といった品を感じさせるのもその為です。
そして何より信念を大切にし、仲間を想う気持ちなどが育まれた背景には松本さんの父親の存在があります。
松本さんの父親の松本強さんは、大日本帝国陸軍の兵士であり、陸軍航空部隊パイロットでした。
子供心から空に憧れ、さらに宇宙にも憧れるようになったのは父親の影響が大きいのではないでしょうか。
「俺の父親は最高だ、父親と一緒にいられれば俺は満足」と行商の大八車を押したという。この「本当のサムライとしての父のイメージ」は、後にハーロックや沖田十三のモデルとして、松本の作品に生かされていった。
引用元:Wikipedia
心理学的にも父親を尊敬する子供は出世しやすい傾向にあり、男らしく仲間にも尊敬される事が多いです。
松本さんの作品に男らしい主人公が多いのはやはり父親の影響が大きいと言えます。
どうやらイタリアの零士先生は危険な状態でないとの報ですので、快癒祈願にハーロックのモデルになったとも言われる先生のお父上の写真を。 pic.twitter.com/hPZuQ027ww
— 図星 (@zuboc) November 16, 2019
父親の強さんは名パイロットでしたが、日本が第二次世界大戦で負けた後は自衛隊に入るのを拒否しています。
アメリカに負けた元軍人が自衛隊に入隊すれば、日本製ではなくアメリカの戦闘機に乗る事は必至です。
戦争には負けたがアメリカの言いなりにはなりたくないと、強さんは自分の信念を貫いた侍だったという訳ですね。
生活は厳しいものになりましたが、松本さんはそんな父親の侍道溢れる精神に尊敬の念を抱いていたのだと思います。
侍道と騎士道、国は違えど通ずる精神に当時のフランスの子供も感化されたのではないでしょうか!
「キャプテンハーロック」の映画も大ヒット
2013年に日本でも「キャプテンハーロック」の映画が公開されました。
そして2013年12月25日にフランスで上映、年明けの2014年1月4日からイタリアでも公開しています。
映画が公開されてからの日本国内の動員数は60万人を下回りましたが、フランスでは60万人以上、イタリアで35万人以上と日本よりも人気が高い事が分かります。
フランスとイタリアの人口を合わせて日本と同じぐらいの1億2千万人ぐらいですので、人口の母数が少ないのに観客動員数が多いのがすごいですよね。
しかもイタリアではカンヌ、ベルリンと並ぶ世界三大映画祭のヴェネチア国際映画祭に正式に招待されている作品です。
これは日本の映画としては歴代1位を記録しています。
そしてこの作品は国内市場だけではなく、海外展開も最初から考えられていた作品なのでジャパニメーションの真髄を発揮したと言えますね!
【人気は必然!】松本零士のアニメがフランスやイタリアで大ヒッした理由!まとめ
いかがだったでしょうか?
松本さんの作品は海を越えて愛されているのが分かりますね!
松本零士さんの精神を受け継いだジャパニメーションが世界に誇れる文化として次の世代に繋いでいきたいですね!
最後までお読み頂きありがとうございました!